Motel Chronicles


■2003年12月30日

いよいよ今年も残りわずか。
皆さんにとってどんな年だったでしょうか?

私は...実を言うと年々やはり何をしたか覚えていないのです。
それだけいろんなことが早く通り過ぎて行くというか、なんなのでしょう。
archcelloのレコーディング、コンサートツアーにしても制作は今年の2月から
始まっているわけですが、遥か彼方のような気がします。
そして知人の死が多い年でもありました。
ガンで30代という若さでなくなった人、死ぬ3日前にメールをくれて
そのまま急死してしまったイタリアのコーディネーター、大阪時代の幼少の私を
かわいがってくれた父の上司。
何かぽっかりと穴の開いたような空虚感に襲われましたが、人との出会いは
なんと重要な意味を持って私に提供されるのだろうと、そしてわずかな時間での
出会いだとしてもそこで過ごした時間の質をあとでどれだけ問われるのかを、
知ることが出来ました。


今年の印象的な出来事としては、イタリアレコーディングも、コンサートツアーも
いろいろなことがありましたけれど、NHKの「公園通で会いましょう」という番組の
ウイークリーホストととして出演したことでしょうか。
この製作期間中出会った人たち、そしてゲストとしてお招きした人たち。
とても印象的で、そして自分の音楽や自分自身のスタンス、いや立つべき場所みたいな
ものが少しわかったような気がした仕事でした。
注:2004年1月6日に再放送があります。私の分は黒田征太郎さんとのセッションの日
だそうでNHK BS2で確か11時からと聞いています。(間違っていたらごめんなさい)
そして先日25日の教会でのコンサート。
DVDのための収録があったためにコンサート+αの体力気力をリハーサルから
使いました。
でもそうやって大変だった仕事ほど覚えているものです。
DVD用の録音をしたのはいつも一緒に仕事をしている赤川氏ですが、
彼の名言『終わらぬ仕事はない』というのをいつも肝に銘じています。


ファンメールがたくさん来ています。ありがとうございます。
写真を載せる機会がなかなかないので、締め切りを1月7日までと延ばさせていただきます。
今日にでも載せられるといいのですが...


年末少し時間が出来たので人にあったり舞台を見たりしていました。
昨日はロンドンのコーディネーターが日本に里帰りをしていたので
一年ぶり以上にお会いしました。
最近、ロンドンで仕事をすることがなくなってしまったので(いえ、ミュージシャンたちは
とても素晴らしいし好きなのですが、街がどうしても合わなくて)、行くことも
なくなってしまったのですが、ヴァージンのマイルが貯まっていることですし、
何か遊びにでも行けるといいなぁ、とそういうくだらない話を深夜までしていました。
それから、市村正親さんのリチャード三世を見させていただきました。
恥ずかしながら初めてのシェークスピアの舞台。
面白かった。
蜷川さんの演出でわかりやすいものになってはいますが、最近、こういう
伝統的なものというか古典ものにとても目がいくようになりました。
(そう、歌舞伎も好きなんです)
でも本当に感心するのは、あの長い台詞をどうして覚えていられるのか。
そしてあうんの会話のやり取り。
誰か一人でもつっかえたら全部が台無しになってしまいそうな、そんな緊張感もあります。
市村さんが素晴らしいのはもちろんですが、すっかりファンになってしまったのが
夏木マリさん。
素晴らしい。
仕事では何度か同じものをやらせていただいているのですが、実際の彼女を見るのは
初めてで圧倒され続けされました。
ひとつ残念だったのは音楽が私好みではなかったこと。
音楽によって話が安っぽく感じられるところが多々あって、気になりました。
今度は本場で観てみたいなぁ...
そうだ、シャークスピアを観にイギリスに行くのもいいな。
でも英語がわからずにどれだけ楽しめるのでしょうか?