Motel Chronicles


■2003年12月20日

もうすぐクリスマスですね。
25日のチケットはもう手に入れましたか?
私も教会でのコンサートは名古屋で行ったことがありますが、
もうだいぶ前のことでした。
撮影で訪れたスペインやプエルトリコ、フランス、そして東京でも一人だけで
弾いたことはありますが、やはりお客さんが入っての演奏は楽しみです。

今回はDVD用のビデオ収録もあります。
プロモーション用に15年前には一度コンサートを収録したことがあるのですが、
本格的なものは初めてです。
それもあって今回は今から緊張しているのですが...

収録用のカメラが4〜5台設置されます。
もちろん皆さんの目障りなところにはないはずですが、私を写して!!という方は
是非、オシャレをしてきてください。(冗談です)


先日「ウー!マルシェ」という芝居みたいなものを、観てきました。
みたいなもの、というのはステージ半分以上にスクリーンがあって、そこに映し出される
映像と一緒に芝居をするものです。
料金が高いのが(11000円)なんですけれど、お時間のある方、一度観ることを
お進めします。
ただ、フランス語での芝居でもちろん字幕スーパーが出るのですが、フランス語の
細かいニュアンスまで全く訳されてないのと、私が観た時はお客さんの入りが悪かったので、
劇場全体の「のり」が悪かったのが残念でした。
あぁいう喜劇(?)は観客を含めたみんなで盛り上がることによって、何倍も楽しめる
ものですから。
でも、喜劇とはいえ、ストーリーは非常にシュールで考えさせられるものです。
一度観ただけでは本質は多分、理解することが出来ないくらい素晴らしいものでした。
それとどうしても効果や仕掛けに目が奪われてしまって、話の本筋にまで
食い込めないというのが、一回観ただけの実感です。
アートスフィアにて年末までやっています。


今月になって皆さん忙しいのでしょうね。
街をみても車や人が多い気がします。
そしてファンメールも今月になって、ぱったりと来なくなりました。
いえ、ください、といっているわけではないのですが...

そこで今年もやります!!クリスマスプレゼント!!
写真を取り込む暇がないので申し訳ないのですが、今年もコンサートツアー
記念スタッフグッズを作りました。
年々グレードアップしていて(制作費が)、今年はロングストラップです。
(制作スタッフにはそれとオリジナルポロシャツがつきました)
去年のも大変好評でしたが、今年のは良い、使いにくいとの両意見が出ております。
友人にエレベーターの中であげたら、それをみていた子供を連れたアメリカ人お母さんは
「まぁ素敵なドッグ・ストラップですね〜」とのたまわれました。
違います。ロングストラップです。制作費もかかっているんです。

今回のプレゼント応募の基準はどうしようかと悩んでいる最中ですが、
やはり日頃のメールをいただく方の中からの抽選になると思います。
でも、今からでも遅くありませんよ。(ただむやみにたくさん書いてもNGです)

色は生成り色と紺色2種類を一本ずつ、たぶんご用意出来ると思います。
というのは、非常に紺色が好評でほとんど生成り色のしか残っていないのです。
すみません、残り物で...
そのうち写真も掲載出来ると思います。
その他情熱大陸のパンフレットとかサインとか、いろいろオマケが
ついたりするかもしれません。
たくさんのメール、お待ちしています。
クリスマスプレゼントですけれど、年内いっぱいの締め切りとします。

■2003年12月12日

携帯電話を衝動買いしてしまいました。
ただただデザインがいいなぁ、という理由だけですが、普段使っているドコモと
新たにauが加わって2回線となってしまいました。
普段ほとんど電話機能を使わない私にとって全くの「無駄」なわけで、
ちょっと心痛いのですが、まぁ時間をかけて一台に絞ろうかとは思っています。
 
面白いのが自宅の地下に練習室があるのですが、ドコモは電波が届かない。
でもauはちゃんと来るんですね。
ほとんど携帯電話はメール機能しか使わないのですが、その機能充実ぶりも
ドコモより数段上。
これではほとんどコンピューターも必要ないのかな、と思ってしまうほどです。

白状するとヴォーダフォンも持っています。
これは海外携帯専用で月額数百円で、今まで旅行した所ではアメリカの人里離れた
荒野以外はほとんど何処でもつながるという、大変優れもの。
スコットランドの更にフェリーで渡った小さな島の、やはり人里離れた山道でも
使えたのは驚異的でした。
 
ところがこのサービスがグレードアップして、ついにヴォーダフォンの携帯電話で
海外にてe-mailが受け取れるというわけです。(今まではショートメールのみ)
これで重いノートブックコンピューターを持ち歩かなくて済む、なんともうれしい
ニュースだったはずなのですが...
詳しく調べてみると今まで数百円の月額基本料金が、日本国内用と変わらない値段に
なってしまうこと。
そして専用電話機が滅茶苦茶大きくて、格好悪いこと。
確かに日本の電波、そしてヨーロッパ、アメリカと4種類の電波を
内蔵しているといえば、それは素晴らしいことなのですが...
躊躇してしまって、まだ決めかねています。

なぜ電話にカメラが必要なのでしょう。(あってもいいけれど)
なぜ電話に音楽再生機能が必要なのでしょう。
(そんなもの使ったら電話の電池がすぐなくなる)
なぜ電話に3D音響ステレオスピーカーが搭載されていないといけないのでしょう...
合体メカロボットみたいで、本当に格好悪いです。
 
例のauはデザインだけで買いました。
本当になぜこのようなデザインの優れたものが、もっとたくさん出て来ないのか
と思うほど出来が良くて、使っていたい、触っていたい、と思うものなのです。
それとは対極にいるヴォーダフォンの携帯電話。
必要とはいえ、悩みます。
 
もっと白状するとUKヴォーダフォンのプリペイド式の携帯電話も持っています。
これもデザインはとてもかわいいものです。
随分前に買ったもので月々の基本料金がない分、通話料金は目が飛び出るほど
高いものですが、でも、この携帯電話のおかげでどれほど助かったでしょうか。
 
 
これだけ技術が進歩していても、共通の全世界共通の電話はないのです。
これだけ機種を持っていても韓国ではまた、使えなかったりで何とも
お粗末な状況です。
家の電話回線やファックスも含めると、私は二桁に手が届きそうな数の
番号を持っていることになるのですが、それを全部覚えられるほど
賢くはないのです...
早くひとつにまとめたいです、はい。
 
 
 
日記部分も英語化を目指していて、以前のものを読み返したりしているのですが、
芸大の芸術祭で講義にいった時のことのインプレッション、書いていませんでしたね。
9月の中旬過ぎのことだったと思いますが...

25年ぶりに訪れる大学はあまりにも変わり切ってしまった所と、全く変わって
いないものが混在して、くらくらするほどでした。
なんと説明していいのかわからないのですが、例えば奏楽堂は私が入学した時は
まだ古いものがあって、それを使って授業やオーケストラの練習をしていました。
それはそれでラッキーだったと思うのですが、今は近代的なものが建っていて、
違和感を覚えます。
田んぼの中に未来的な建物を建ててしまった、という感じでしょうか。
芸術の大学なのだから、もう少し建築デザインどうにかならなかったのかなぁ、
と私の感覚ではつまらない建物。
ホールの音はまぁまぁでしたけれど、でも内装とか「まぁ、こんなものでしょう」
というのが見え見え。
ホール自体に何も感動がないのですよね...
なんというかこれから音楽を聴くんだ、というドキドキ感というか。
パリのオペラ座を建てろ、とはいいませんが昔の奏楽堂のほうが遥かに
素晴らしい気がします。
 
校舎はというと正直、古くなったというより「汚くなった」感じでした。
伝統みたいな重くたたずむ古さというのが全くなくて、ただ汚くなってしまった、
という感じ。
なんだか寂しかったですね...
そして本当に古い校舎はその古さ、汚さが25年前と同じなのはおかしかったです。
そこのトイレはほとんど使用不能に近いほど朽ちているのですが、そのことを
私の先輩であるパーカッションの高田みどりさんにスタジオで話していたら、
「私の頃でさえ、既にそうだったのだから!」と言っていました。
何年前かは追求しませんでしたけれど...
 
文句ばかりの学校ですが、それでもチェロのレッスン室に行くエレベーターの
ボタンを押すとき、牢獄と言われた小さな練習室が続く廊下を歩くとき、
ふと後ろに級友の声が聞こえるようなその当時に帰ってしまう瞬間がありました。
そして今思ってみると、当時はとても「楽」な時間でした。
ここにくれば良かったから。
とりあえず学校に来て課題をこなしていけばチェロは上達して、級友とのふざけ合いも
楽しかったし、適当な芸術的な刺激もあって、安い食堂もある...
そう、ここにいればとりあえず安全で楽ちんだったのです。
チェロを教えてくださった教授はもう亡くなってしまいましたし、知っている先生も
ほとんどいらっしゃらないとのことでした。
決して戻りたいとは思いませんでしたけれど、学祭で走り回っている学生や
汚くなった校舎を見ながら、そんなことを思っていました。

■2003年12月2日

先月は3週間の休みをもらって、久しぶりにリフレッシュしていました。
とはいえ、最初の10日間は打ち合わせや友人エンジニアのピンチヒッターやらで
結局何となく仕事をしていたような気がします。
それで最後の10日間はエイッとばかりに、久しぶりにアメリカに旅行して来ました。

それほど日程的に余裕のある旅ではなかったのですが、2カ所にポイントを絞り
合計7回飛行機を乗り継ぎました。
最初の訪問地はマイナス10度以下の極寒地。
ちょっと甘く見ていました。
ワイオミング州の山中になるのですが、一応ネット上では天気予報を見てから
行ったにもかかわらず粉雪が降り続く一面銀世界でした。
20年ぶりくらいになる本格的な雪道ドライブをしながら国立公園のような所へ行って、
バイソンやらミュール鹿などを間近に見たり、一日ぼーっとホテルの部屋から
雪景色を眺めながらお風呂に入ったりと、贅沢な時間を過ごして来ました。

ただ、休暇旅行とはいえ目的はあくまでも写真を撮ることであって、
それは今後出るであろうCDのジャケット用であったり、もしかしたらの
DVD用であったりと、やはりどこかには「仕事」というものを
引きずっていたりします。
悲しい性であります。
ただ今回発見したのは「寒さ」に慣れていない私には、写真撮影や被写体に
なるということはとても無理だということ。
スターダストのような粉雪が舞う中、晴天なのに風がびゅーびゅー吹き裂く中、
体力、気力は著しく低下します。
特に太陽が出た時の雪に反射する光のまぶしさは尋常ではなく、
撮るほうも撮られるほうもこれは無理だなぁ、という感じでした。
それと目的地までの慣れていない雪中ドライブも結構緊張が強くて、
気がつかないうちに疲労していたりします。
まぁ、それだけでも勉強ができたのはよかったですが...。

2カ所目はうってかわってアリゾナ州。
バッファロー'66という映画を撮ったヴィンセント・ギャロが
新しいロードムービーを発表した時も、
「アメリカの荒野のドライブは本当に素晴らしい。すべての美しさがそこにある」
と言っていたのを思い出すほど、やっぱり美しかったです。
私自身、何度も見ているはずの風景なのにすっかり忘れているというか、
これほど奇麗だっけ?と思わずうなってしまうほどでした。
そう、記憶出来ないほどの美しさなのです。
特に日が暮れるとき、朝日が昇るとき。
いつも絶対忘れない!!と思いながら、結局はその瞬間を目のあたりにすると
私の記憶はいったいなんだったのだろう、というくらい吹っ飛んでしまいます。
たぶん、写真でも絵でも音楽でも表現出来ない光と陰と空気感、音、風、草木の匂い、
宇宙までありそうな巨大な空間というものには、ただただ打ちのめされるばかりです。
うーん、アメリカという大陸(自然)は偉大だなぁ。

さて、今年になってから私はとても飛行機についてない。
今回7回もの乗り継ぎをしたけれど、全部がひどかった。
成田からサンフランシスコに向かった飛行機は、着陸する少し前で緊急回避。
急に上昇を始める飛行機の尋常でない感じは、忘れられません。
サンフランシスコから先の国内線は、すべてがディレイ。
次の乗り継ぎに間に合うかどうかハラハラしながら、いつ飛ぶかもわからない
フライトをロビーで待ち続けるのは精神的に辛いものです。
ディレイが長引くと搭乗口の案内も消えてしまうし、いきなりアナウンスが
あって搭乗が始まったり。
しかも遅れる原因が天候だったらわかるのですが、飛行機のコンピューターが
調子悪いのでソフトをインストールし直す、とか、テストフライトが
芳しくなかったのでこれからほかの機材(飛行機)を探します、とか
普段聞いたことのないものばかり。
もちろんワイオミングのほうは雪による遅れがひどくて、最初に乗った
飛行機が2時間遅れ。
あぁもう次はダメだなぁ、と思っていたら次は4時間遅れ。
ロサンゼルスでのトランジットで、帰国の便には出発時間10分前に
チェックインカウンターに着いたくらいなのですが、それでもミスすることなく
帰れたのはほとんど奇跡と言っていいでしょう。
でもやっぱりカバンは成田で出て来なくて、今年は海外出張が少ないとはいえ
カバンの出てくる確率は1勝4敗です。
この間のスペインでは撮影用チェロが出て来ませんでしたから...
 
それと空港のチェックインのセキュリティも尋常ではないですね。
テロ直後、アメリカ国内の飛行機に乗ったこともありますが、それ以上に厳しくなって、
私の場合、靴はもちろんパンツのベルトを外してエックス線にかける。
それでも人体のほうはアラームが鳴ってしまうほど...
身体チェック用の検査機ではポケットに入っていたガムの銀紙ですら反応していました。
 
 
 
話は変わりますが、最近テレビの視聴率の問題が大きく取り上げられていますね。
もちろん視聴率を操作しようとしたことが悪いのですけれど、やっぱり
いいものを作ってその結果であって欲しいものです。

ただ、テレビはそういうものではないだろうな、ということも最近感じています。
現在私が音楽担当しているドラマ「ライオン先生」もとても苦戦していて、
視聴率はたぶん聞いたことのないような低い数字だったと思います。
打ち切りにだけはなって欲しくないのですが...

いいものを作っただけでも視聴率は伸びない。
それは今のテレビの番組内容を見ればよくわかります。
とてもいいドキュメンタリーや取材番組があっても、
素晴らしい動物の生態記録番組があっても、視聴率があるのはバラエティもの...
それが悪いというわけではありませんけれど、結局視聴者が見たいのは
そういうものであって、作る側もそういうものを作る、ただそれだけ。
見る側も作る側もよくわかっているのです。

私はドラマの音楽という形でテレビ番組の制作側に参加しているわけですけれど、
音楽そのものはいつもと何も変わらないのです。
私の中では。
自分のソロアルバムとスタンスは少し違うけれど、そこにかける時間や
お金は下手をするとソロアルバムより大きかったりしますし、
CDも発売されるからそのCD自体のクオリティも心して考えなければいけない。
制作に関わる人すべてがそのようなスタンスで、自分の仕事をこなしていけば
何も問題はないかと思うのですが、でも最近少し違うことを感じ始めてはいます。

先日のスペインロケのようなテレビに出演するということ。
これは私の中ではとても特殊な感じです。
音楽制作とも映画とも、コンサートなどともあらゆるものと全然違う。
いい言葉が出て来ませんが、一過性がとても強いのです。
すべてがその瞬間でしかなく、その後のその映像に関する責任みたいなものは
自分の手から完全に離れてしまうのです。
音楽でしたらCDが出来上がる、その一歩手前まで自分の責任で作業が出来ます。
でもテレビの場合はカメラがまわっている間だけでしか、
自分でいることは出来ないのです。

例えば道浪漫のロケですと、30分という番組ですが旅に出ているのは一週間くらい。
撮影時間は一日たとえば4時間まわしたとしても30時間。
本当はもっともっと多いかと思いますが、それを30分にまとめる。
正確にはコマーシャルが入るから20分強。
そして編集はディレクターの仕事となるわけですが、それには私は一切の口出しは
出来ません。
放送前には自分の映像すら見ることが許されないのです。
番組は制作ディレクター、プロデューサー、テレビ局側の人たちによって
「作られる」わけです。
私の責任持てる場所はカメラがまわっている瞬間だけ。
でもそれさえカメラが止まった瞬間、その前後左右、物事の背景、
私の心情などすべてがなくなります。
編集によって、私の声でないナレーションによって、どんな映像にも
作り替えることが出来ます。
今回はディレクターのミスで、チェロの演奏部分まで短く編集されていました。
一分での演奏でという指示があって、その時間内でスペインの印象を
即興で弾いたわけですが、それさえも短く編集されるということは、
どういうことか想像出来ますか?
 
「悪い」ということではないのです。
ただ、そういうものなんだなぁ、と。
 
スペインではどのくらいテープがまわっていたかはわかりませんが、
番組で流れた30分の後ろにはもっとたくさんの映像があったわけです。
もっとたくさんいろんなことを喋っているわけですけれど、すべて
ナレーションに置き換えられています。

それが決して「悪い」と言っているわけではありません。
そういうものだと、やっと最近になってわかって来たのです。
ドキュメンタリーでない限り、私が主人公となって旅をしていても、
それは企画をしたディレクターの見たいもの、視聴者に見せたいものを
私が代弁しているのです。
 
 
ドキュメンタリー番組でさえ最後には編集という作業はあるわけですから、
100時間取材をしたとしてもその中から映像を選ばなければいけない。
それは結局ディレクターが見たいもの、伝えたいものになってしまうのです。
たとえ100時間というテープを見せられたとしても、その中には
その映像以前に、真実以前にディレクター、カメラマンの意思は必ず入ってくる。
そして見る側の意思も。

同じ戦争の映像を見たとして、戦争をしている側、されている側、傍観者、
隣国、遠い国、戦争を知らない人、宗教の違い、習慣の違い、と、
100万人視聴者がいたら100万の見方がある。
そういうものだと。
それは作る側にも見る側にも。
人はそれぞれ見たいようにしか物事を見ることができない。

テレビに出演している人たちはカメラの前だけで済むから、次から次へと
仕事ができるのだなぁとも、最近思っています。
音楽制作は、特に私の作業の仕方ではとても大量に出来るものではありません。
ひとつのことにかける時間が長いですから...
コンサートは準備期間は長いですが、演奏している一瞬でしか自分という存在でしか
あり得ないから、少しテレビと似ているかもしれません。
でも、最初から演出(編集?)が決まっていて、時間軸が変わることがない。
つまり編集されることはないわけで...
 
私は最近まで自分の出演した番組を、すぐ見ることはありませんでした。
だいたい放送日から一週間とか下手をすると一年も見ないことも。
その意味も自分の中ではやっと理解出来るものになりつつあります。


でもやっぱりテレビのようなその瞬間だけでいい、というのもたまには
楽しいものです。
考え方によっては気が楽でもありますし...
そして旅番組は特にいろいろな発見がありますから、それは自分の為に
大事なことです。
先日もスペインもすごくいろいろなことを吸収しました。
また、何所かに行きたいなぁ。
でも今度やってみたいのは、やはりドキュメンタリーのようなものでしょうか。
先日のNHKに出演したときにも思ったのですが、ホスト役となって
誰かを迎え入れながら自分との関わりから世界を広げていく、というのが
とても楽しかったので。

とりとめのないものになってしまいました。
また近日中に。

クリスマスコンサート、来てくださいね。

■2003年11月13日

今度の日曜日朝7時30分、東京ではTBS(6ch)で道浪漫に出演しています。
ちょっと朝早いですけれど、是非観てください。
スペインを旅しています。

■2003年11月1日

一ヶ月ぶりの更新となりました。
ライオン先生のレコーディングが思った以上に忙しかったのと、
道浪漫という過去にも二度ほど出演したことがある旅番組のロケに
出掛けていました。
今回はスペイン。
周りの友人は「いいなぁ、スペイン」を繰り返しますし、私も出発前までは
「やったー!!」という感じでしたが、やはりお仕事ですから大変です。
移動に次ぐ移動、長い待ち時間、寒くて強風の中の撮影、短い睡眠時間、etc.
途中で何でこんなところにいるんだろう、と弱音を吐くほどですが
個人的な旅では絶対に体験出来ないこと、出会えない人々、美しい風景など
いいこともあります。
だから旅関係のお仕事は大変だけれど楽しいのです。

今回はマドリッドからいろいろなところへ行きました。
詳しくは番組で見て頂きたいのですが、主にラマンチャ地方を中心に
旅してきました。
風車のある風景がとても綺麗でした。

この旅行に出掛ける前は自分のコンサートと、あとはずーっとライオン先生の
作曲とレコーディングの毎日。
最期のレコーディングが終わった次の日にスペインに出掛けるはずだったのですが、
終わったのが午前3時頃。
迎えの車が7時に来るはずなのでどんなに頑張ってパッキングしても間に合わない
事がわかったので、出発を一日ずらしました。
何とも綱渡りな毎日です。
でもそのおかげなのか、もうちょっとでもっと不幸だったのか、行きの飛行機は
オーバーブッキングでなんとファーストクラスになってしまいました。
すごい。
数年前にマイレージでファーストクラスにアップグレードしてもらったことは
ありますが、その当時はそれほどの装備はありませんでしたから...
今は、フルフラットなんですね〜。
スイスエアでしたけれど、それはそれは快適なフルフラットになる
ベッド付きのもので、食事用のテーブルは私が仕事部屋で使っている
アンティークの机より大きい。
参りました。
運賃が飛び抜けて高いはずです。
たった12席でしたけれど、そのファーストでさえ満席でした。

最近は海外旅行をする人が以前のように戻ってきたらしく、
帰国は一日マドリッドに延泊しなければならないほどでした。
私にとってはとってもラッキーなオフの日となり、午前中は16年前に
初めて一人で海外旅行をして見に来たピカソのゲルニカを見に美術館へ。
当時帰国してすぐに、ゲルニカという曲を作ったくらいです。
でも.....
なんだか印象が違いました。
16年前のゲルニカは防弾ガラス張りで側には拳銃を持っていそうな警備員がいて、
しかも私は画からは5メートル以上離れていたでしょうか。
でもそれはそれは力強く、繊細なタッチ、数色と思っていた色は微妙な
グラデーションがあり画そのものが重く静かに光っていました。
今は美術館が違いますがガラスは外され、警備員が立ってはいますが
2メートルくらい前までに近づくことが出来る。
でも、画はなんだか精細を失いどよんとした感じがあります。
画が疲れている感じがありました。
大きさも「あれ、こんなに小さかったっけ?」と思うほどこぢんまりしています。
私自身が疲れていたのでしょうか。
それとも美術館の照明が悪かったのでしょうか。
私は気を取り直そうと思って、他のピカソのデッサンなどを見回った後にもう一度、
画の前に立ちましたが同じでした。
でも同じでした。
16年前当時訪れたトレドの街も同じ印象でした。
もっと静かで人のいない街だと思っていたのが、今回久しぶりに訪ねてみて
ガサガサとうるさい普通の街でしか感じられません。
16年間という時間の中でその当時の印象が私の中で大きくふくらみすぎたのでしょうか。
私の中で大きな疑問となった一コマでした。
過去はやはり振り返ってはいけないものだろうか、と。
でも何度訪れても変わらない場所、何度会っても変わらない人は
たくさんいるのですが....
 
 
出発日を延ばした私でしたが、結局そのあまった一日も忙しく徹夜になってしまい、
ベッドに入れたのは迎えが来る2時間前でした。
ゆえにファーストクラスは私にとって本当にありがたいプレゼントでした。

行きはよいよいでしたが、帰りはいろいろありました。
こういうテレビ番組のロケの場合は、通常のチェロではなく値段の安いものを
持参します。フライトケースも持っているのでレコーディングのように
チェロ用の座席を隣に用意することなく、気軽にバゲージとして預けてしまいます。
そう、荷物受け取りの時にはベルトコンベアーでチェロがゴロンと流れてくるのです。
その風景だけはちょっと恥ずかしくて、いつも出てくるところの
一番前に陣取りますけれど...

成田に着いた時、私のチェロはロストバゲージになっていました。
マドリッドからチューリッヒ経由で成田だったのですが、撮影機材等すべての荷物が
無事着いた中、チェロだけがロンドンに行っていたそうです。
昔チェコでのレコーディングの時にパリでのトランジットの時に、
パリに置き忘れられたこともありました。
暑い夏以外でしたら、あまり心配はしていないのですが、それでもこの進んだ
コンピューター時代に何故間違いが起こるのでしょうか...
今年になって飛行機には本当についていません。
でも、ファーストクラスのアップグレードでおあいこかなぁ.....
 
 
 
先日のこと。
深夜3時頃帰宅したのですが、門灯が点いています。
これは深夜になると自動的に消灯され、人が通ると自動的に点灯されるものなので、
あぁイヤだなぁ、ドロボウらしき人が通ったのだろうか、とドキドキしながら
車を入れたのですが、車を降りた私の目の前にいたのはなんとアライグマ!!
しかもクルクルと鳴いてもう一匹を呼びます。
からだつきからして夫婦だったのでしょうか。
それほど人間を怖がることなく、でもチリチリと爪がアスファルトをつかむ
音をさせながら、何処かに消えていきました。
ふと目があった、時間にして5秒くらいでしょうか。
あまりにもびっくりして何がなんだかわかりませんでした。
私も本当に変な顔をしていたと思いますけれど...
最初は狸かと思いましたが、後で考えてみると白黒の顔をしていましたから...
あれ、レッサーパンダかなぁ...
しばらくは「狸がいた〜」と気の抜けた感じで反芻していました。
東京世田谷でも不思議な動物を見るものです。
 
後日談ですが、妹と話し合ったところやはり狸の可能性の方が高い、
ということになりました。
彼女も実家の近くで見かけたのと、ほとんど同じ顔をしていたとの
事でした。
狸の種類もいろいろあるのでしょうか?
 
 
 
クリスマスコンサートの詳細が決まりましたので、お知らせします。
 
12月25日木曜日 18:30開場 19:00開演
キリスト品川教会 グローリア・チャペル
全席指定 \7,350-(税込み)

チケット発売 11月15日土曜日 一般発売開始
お問い合わせ、チケット取扱い
キャピタルビレッジ 03-3478-9999
チケットぴあ 03-5237-9966(Pコード 158-385)
ローソンチケット 0570-06-3003(Lコード 33044)
イープラス http://eee.eplus.co.jp

私を含め、3人編成で演奏します。
教会ですので座席数がとても少ないです。
お早めにどうぞ。

また、11月7日のコンサートもことし最後のものとなります。
是非いらしてください。

11/7(金) 文京シビックホール 大ホール
18:30開場/19:00開演
問)03-5803-1107(文京シビックホール)

■2003年10月2日

最後の更新が悲鳴のような感じになってしまい、大変失礼しました。
たくさんの励ましメール、頂きました。
恐縮です。
それにしても39時間労働は、自分自身のせいで引き起こしたわけですけれど、
なんだか最後は夢遊病のような感覚でした。
帰宅してからも身体はもちろんものすごく疲れているのですが、頭の方は
アドレナリンが出まくっている感じで寝られない、というアンバランスな感じなのです。
睡眠もそこそこに次の日もなかなかハードなレコーディングでしたが...

自分では意識していない頭の片隅で、〆切に対して計算している気がするのです。
つまり自分は何曲書くつもりでいて、それには何時間前から始めなければ間に合わない等々。
そして私は曲が生まれてくるのを待っている、という感覚でコンピューターの前に
座り続けているのです。
いえ、もちろんウンウンいいながら曲は作り続けているのですが、ある時カチャッと
スイッチが入って、それからは書けなかったことが嘘のように仕事がはかどり始めるのです。
まぁもしこの段階で、コンピューターが壊れる、プリンターが作動しない、
データーが飛んだ等々何かあったらアウトですけれど、ね。


このモーテルクロニクルズを書き始めて新聞のコラムのお仕事をいただいたのですが、
そのコラムを書くようになってから飛躍的に書くことが増えました。
それだったらこの日記も早く更新せい!と突っ込まれそうですが、文章を書いている
というより、文字を書いているという感じが強いです。
もちろんこれはコンピューターがあるからこそ、なのですが、でも海外旅行のテレビロケの
時でもひとりでロンドンに行って音楽事情情報収集をしている時も、ずーっと
万年筆を使って日記を書いていたりします。
友人宛のe-mailはどんどん文字数が増えて、調子に乗るとだいたい1500字とか
書いている時もありますから、読む方は迷惑だと思うのですが...
ランニングハイというのがありますけれど、それに近いのではないかと思います。
書き始めると止まらない。
書いている内容は特にすごい!!というものはないのですが、FMのDJが隙間なく
喋ることが出来るような、そういう感じでしょうか...
アナウンサーの方も意識しなくても勝手に口が動いている時がある、と
いっていましたが、まさしくそんな感じです。


相変わらず仕事の隙間が出来ずに、考えてみれば2月のイタリアレコーディングから
ずーっと休みなく働いているような気がします。
今月はコンサートが3カ所ありますし、久しぶりにテレビの海外ロケも控えています。
11月にはことし最後の東京でのコンサートもありますし...
お問い合わせの多かったディナーショーですが、まだ正式にはお知らせ出来ませんが、
それにちかいものがあります。
12月25日に教会でクリスマスコンサートをします。
どうぞ楽しみにしていてください。
東京の教会ですが収容人数もそれほど多くありませんので、こまめに
チェックすることをお奨めします。

■2003年9月24日

現在午前7時30分過ぎ。
昨日の午後3時からずーっとスタジオで仕事しています。
「ライオン先生」のレコーディング、トラックダウンです。
昨日は曲を書くためとレコーディングのために、それから新聞の原稿を書くために
39時間も寝ることが出来ませんでした。
新記録樹立でしたが、今日ももう20時間近くが過ぎようとしています。
大丈夫でしょうか、こんなことしていて。
この歳で、という言い方も座布団2枚です。
労働基準法では、とても許されません。
捕まってしまいます。
でも私の職業は適用されないことになっているはずです。

なにやら、精神の崩壊も始まっているような気もします。
絶対、脳の細胞が何千万個死んだことでしょう。
悲しいです。

先日友人がクリームパンをくれました。
とっても美味しかったクリームパン。
お腹がとってもすいたので、それを思い浮かべながらスタジオの自販機で売っている
菓子パンを食べました。
でもどんなに疲れていても、そういう味覚だけは誤魔化しが効かないようで、
ただの不味い菓子パンでしかありません。
食べる前よりもっと悲しくなりました。