Motel Chronicles


■2006年5月25日

昨日、東京はすごい嵐でした。
災害が起きない雷とか嵐は大好きなのですが、ちょうど
打ち合わせをしていた事務所から帰ってすぐに大嵐となりました。
でもいつものことで、眠くて眠くて....
大好きな雷ショーだというのに、ベッドに直行です。
意識の遠くでは雷ががらんごろんと鳴ってはいるのですが、
この眠気にはどうしても勝てずに、起きたら午前2時過ぎでした。
あぁいいのでしょうか、私の人生....
綺麗な三日月が出ていたので写真を撮りましたが、こういうときは
どうしても見た目とカメラでは全然違いますね。
心に記憶に残しておくしかありません。

事務所での打ち合わせは新しいCDについてでした。
デビュ−20周年ですけれど、何一つイベントはありませんし
事務所もその気のひとかけらもないみたいです。
まぁいいのですけれど...
そういえば、ホリプロって毎年所属タレント全員が載っている
本を出すのです。
私は個人的にホリプロ図鑑と言っています。(笑)

P1020388.JPG

もちろん一般の人には間違っても出回ることはない関係者用のものですが、
結構これが面白くて「こんな人もホリプロなんだ〜」とすごく楽しめます。
最近では大好きな高橋恵子さんがホリプロ系列の所属になられたり、
売れているスピードワゴンとかもそうだったりと、驚きの連続でした。

P1020390.JPG

私もこんな感じで載っていますが、くくりとして作曲家でした。
はぁ、ホリプロの中ではアーティストと見られていないんだ、と
ものすごくへこんでしまいました....

さて、いい加減寝ないといけません。
すっかり夜が明けています....

■2006年5月24日

ここ二ヶ月ほどすごくばたばたしていて、更新もままならない
感じであります。
病気でもないけれど仕事がない時は一日中寝ていたりと、
毎日眠いです。(笑)
いくら寝ても寝足りない感じ。
病気じゃないからいいのですけれど....

時間がある時は週に2度ほどジムに行ってトレーニングをします。
すべては健康、いやいかにチェロを良く弾けるか、に行き着くのですが、
身体にしみついた癖というのは半年くらいでは治りません。
でも腰の状態はだいぶいい感じに安定してきて、うれしい限りです。

さて、更新をさぼっていた間にもいろんな仕事はしておりました。
最近ではウーファンさんという中国琴演奏者のアルバムで、一曲ほど
プロデュースさせていただきました。
プロデュースとはいえ曲は古い中国の歌をアレンジしたものですが、
ただではすまない私のアレンジですから、ちょいひねっております。
久しぶりにチェロカルテットを書きました。
バイオリンやビオラを入れたカルテットもいいのですが、
チェロカルテットはもっとすごいですよ〜。(笑)
音の深みと言うか響きというか、ちょっとぞくっとします。
もちろん、上手な人たちでなければなりません。
今回はその人たちのスケジュールでレコーディング日が決まりました。
うーん、主役のウーファンさんを待たせてなんて、贅沢ですね〜。

でもチェロカルテットの欠点をひとつ。
第一奏者(たいてい私ですが)が演奏がとても難しくなります。
つまりバイオリンのような音域までカバーしなければならないので、
自業自得、いや自分で譜面を書きながら自分をいじめる「SとM」
どっちも状態です。
演奏者面々はこんな感じ。
P1020337.JPG
みんな、本当にうまいです。
第4パートを弾いてくれた左端の彼は私の一回り下だそうで、
自分の年齢を感じてしまいます。
うまいから許すけれど...
音は是非ともCDで聴いていただきたいです。


最近はまっていることは、ちょっと流行から遅れているのですが
歩きながら音楽を聴くことです。
最近歩くことがとても多くなったので、普段音楽をあまり聴かない
私が珍しく携帯プレーヤーを引っ張りだしてみました。
私は初代ウォークマンからの世代ですから、歩きながら音楽を
聴くことはもう25年以上前にやっていることなのですが、
最近その概念を大きく変えたのがiPodのシャッフルです。
つまり音楽の順番を勝手に変えてしまうのですが、
これがとっても新鮮なのです。
私のiPod shuffleにはいろんなジャンルの音楽が入っていて、
今日はキングクリムゾンのあとにサリフケイタ、ジョアンボスコ、
私のドラマ音楽、名前のわからないブラジルもの、40年以上前の
サラボーンとナットキングコールのデュエット、ディープパープルと
ハチャメチャな選曲が続きます。
でもこれがなかなかなのです。
周りの風景が音楽とともに一瞬にして変化していくのが楽しくて、
しばらくはまったままになりそうです。
でもこれは車の中では今ひとつなのです....
音楽の変化と車窓の変化がずれてしまうような、そんな感じです。


少し前に獣王星の仕事が終わったと書きましたが、マスタリングも
無事に終了しました。
今回はエピックからのCD発売なのでソニースタジオでのマスタリングです。
珍しく順調に仕事が進み、この日中にちゃんと終わりました。
ウーファンさんのレコーディングも順調だったのですが、CDの
〆切が間近だったので、スタジオを移りそのままトラックダウンに
入りました。
えーっと、終わったのは朝6時頃だったでしょうか...
写真はソニースタジオでのマスタリング風景。
P1020328.JPG


久しぶりの東京タワーです。
P1020335.JPG


今週の日曜日は京都の実相院でのコンサートです。
チャリティコンサートです。
チケットは全部売り切れたようで、大変うれしいです。
初めての試みなのでスタッフ共々ほっとしているところです。
おしゃべりとチェロのソロ曲だけでの構成ですが、とても
素敵なところなので今から楽しみにしています。
このチャリティはずっと続いていくようで、次回はゴンチチが
出演すると聞いています。

■2006年5月22日

コンサートのお知らせをいくつか。
yoursコンサートは去年だけでなく、これからも要望があれば
ライフワークのようにいつでもやるスタンスでいます。


「溝口 肇コンサート  yours〜音の輝きとともに〜」

日時/2006年7月17日(月)開場18時30分 開演19時
会場/東京都江戸川区 タワーホール船堀
料金/¥4,000(全席指定) 
演奏曲目/世界の車窓から、青春の輝き、ニュー・シネマ・パラダイス、
      明日に架ける橋、小さな恋のメロディー、Close to you、
ミスター・ロンリー他 予定
チケット発売/発売中
お問い合わせ/タワーホール船堀03-5676-2211

「Friends2006」
〜最強の精鋭たちによる夢のスーパーライブ〜

日時/2006年7月16日(日)開場14時 開演14時30分
会場/広島県呉市 呉市文化ホール
料金/¥5,000(S席) ¥4,000(A席)
¥2,000(学生券※当日指定、要学生証)
出演者/寺井尚子(バイオリン)、溝口肇(チェロ)、
伍芳[ウー・ファン](中国古箏)、佐山雅弘(ピアノ)、
瀬木貴将(サンポーニャ・ケーナ&音楽プロデュース)、
ネイチャーワールド(越田太郎丸/G、坂本昌人/B、
ヤヒロトモヒロ/パーカッション)
チケット発売/6/5〜(呉市文化振興財団友の会は5/29)
お問い合わせ/0823-25-7878 (呉市文化振興財団事務局)

■2006年5月9日

今日の朝はヒルズライフというフリーペーパーの取材でした。
朝5時から起きての仕事だったので一日が長く感じられますが、
もう既にお昼から眠いです。
こんな状態でトレーニングに行って大丈夫でしょうか....
撮影のために初めて六本木ヒルズのレジデンスに入らせていただきました。
ホリエモンと同じ棟とはいきませんでしたが、いやぁでもなんだか
近未来的で面白かったです。
家具類は全てあるので、すぐに生活が始められます。
そう、つまりはマンスリーマンションの超高級版と言うか、
アパートメントホテルですね。
撮影が終わって廊下に出たら、ホテルと同じようにシーツやタオルの
交換ワゴンが来ていましたから。
ワンルームに近い作りの部屋からは東京タワーが目の前に見えて、
それはそれはいい感じです。
マンションのエントランスといい、ホテルのように受付はあるし、
エレベーターも六本木ヒルズと同じようにテレビは入っていて非日常的です。
古い家とは真逆ですけれど、いつかこれが古くなった時にはどうするのかな、
とも思います。
また壊して新しくするだけなのか、時代に取り残されていくだけなのか。
古くなった時に味わいは出るのでしょうか。
難しいですね.....


ゴールデンウイークが終わりましたね。
毎年何処にも出掛けずに、すごいなぁ、混んでるなぁとテレビを見ながら
ため息をつくだけの日々です。
いやもちろん仕事はしているので、何処にも出掛けられないだけですが。
それより仕事をしながら連休が過ぎていきまだ仕事は続いていますが、
何処にも出掛けなかった、いやちゃんと休めなかったことへの脱力感が、
月曜日の朝から漂っています。(笑)


唯一、渋谷に出掛けました。
長年マックを使っていますが、アップルストアには行ったことがなかったのです。
でもどうしても欲しい部品があるのと、あまりにもアップルのサービスセンターに
電話がつながらないので....
さすがにスタッフはいろんなことを知っていましたね。
ほぅ、プロだねぇ、という感じでした。
でも欲しかった部品はどうしても自分ではつけられないものだと知り、
戦利品なしで帰りました。
こういう時はなんだかいろんなものを否定的に見てしまいます。
それにしても渋谷はうるさい。
アップルストアの中でも数種類の音楽が入り乱れ、街を歩いていても
いろんなお店から音楽を垂れ流しているから、頭がクラクラします。


連休前の話になってしまいすが、仕事で上野に行ってきました。
ついでに芸大にも行って半年前にお願いしていた書類を取って来たり。
帰り道のことですが、車を根津のほうに止めていたので、久しぶりに
細い裏道を歩いていました。
私が大学に通っていた頃、もう27年くらい前になりますが、実家からの
通学はお金に余裕がある時は車で、そうでない時は千代田線で根津から大学、
というコースでした。
根津は独特の街並があって、詳しい理由はわかりませんが、家々の窓に
京都のような細い格子が入っていたりします。
もちろんそういう街並も本当に減りましたが、1本裏道というか、こんなところ
通っていいのだろうか、というくらい細い道に入ると、まだ少しそういう家が
残っています。
何を隠そう、ポンプ式の井戸がまだあるのです。
それもひとつは道のど真ん中に。(笑)
P1020282.JPG
そんな懐かしい風景を楽しもうと思って裏道に入ったのですが、
ひとつ素敵な古い家が目に留まりました。
まだこんな家が残っているんだなぁ、と思ったら、その玄関には
カフェの看板が小さく出ていて、ちょうど営業が終わる時間だったのですが
入らせていただきました。

細い格子のある家をそのままカフェに改装していて、とてもとても
素敵なところでした。
残念ながら表の写真を撮り忘れましたが、グレープフルーツパイもカフェオレも
美味しゅうございました。
P1020272.JPG
店主は漫画「めぞん一刻」の管理人さんを年取らせた(失礼)、というか、
私の知人にそっくりなのですが、芸大でいえば美術学校側のデザイン専攻出身、
といったらいいでしょうか....
知的で綺麗な人でした。
自分で家を直したとも言っていました。
インテリアの趣味もいいし、何よりお店の中に流れている時間の感覚が、
とても静かでいいです。
築70年近くと言っていましたが、やはりこの頃にお金をかけて作られたものは、
いいものです。
P1020275.JPG
P1020277.JPG
P1020278.JPG
そしてこういうものがなくなっていくことに、やはりとても抵抗を感じます。
もちろん古い家はとても大変なのですけれど....
お店の名前はPEKOE。
場所は不忍通りから言問い通りを芸大のほうへ上っていき、右側の裏道にあります。
散歩しながらでもお探しください。

■2006年4月21日

獣王星のレコーディング、やっと終わりました。
数えてみれば約8日間、作曲のために家から出ていませんでした。
これほど長い間、買い物にも出掛けずに仕事部屋にこもって
仕事していたのは、珍しいかもしれません。
ヒゲものびるわけです。

昨今、音楽家のやる仕事量は劇的に増えました。
今回のような仕事では私は作曲家になるわけですが、同時に
シンセサイザー等の打ち込み(コンピューター作業)やオーケストラや
ミュージシャン用のスコア書き、レコーディングではディレクションはもちろん、
チェロの演奏、スケジュールを含めた全体の監督もやらなければなりません。
スタジオにはマイマイクも持ち込みますから、トランポも自分です。(笑)
昨日のレコーディングを終え、今日からはまた自宅のスタジオで
トラックダウン作業です。
どう考えても仕事多すぎです。
でも、全体に制作費の予算が減っているからしょうがないのですけれど....
いろんな意味で何かがおかしい、本当に世の中は景気がいいのか?と思いながら
今日も頑張るのですけれどね。
このほかに原稿書いたり取材受けたり、コンサートしたりプロモーションしたり、
テレビやラジオに出演していたらたぶん死んじゃいます。
他の音楽家はどうしているのでしょう....
あまり大きな声じゃ言えないですけれど、メロディだけ書いてあとはおまかせ、
なーんていう人は多いのですが、ちょっといいなぁ、と最近羨ましいです。
それでオーケストラ曲を作りました〜、って言えるのですから、すごくいいです。
いえ、間違ってはいませんよ、決して。
私なんか自分の営業コンサートのカラオケでさえ、自分で作るんですからねぇ。
でもロンドンで仕事のリサーチをしていて羨ましいな、と思ったのは
作曲とアレンジ(オーケストレーション)は別の人がやるそうです。
しかも予算のある時にはラブシーンの作家とそれにあったアレンジャー、
戦闘シーンにあった作家と派手にオケをならすアレンジャー等々
使い分けるそうで、ひとつの映画に10人近くの人が関わることも
あるらしいのです。
すごい、というか羨ましいというか....

そうだ、今日は歯医者です。
うーん、どうしてこういう日に予約を入れるのでしょうか、私は....
なんだか今日は心身共に自虐的になっています。(笑)

スタジオのレコーディング風景、ミュージックコーディネーターの
山田君が写真を撮ってくれたので、アップしてみたいと思います。
まず一枚目は私が撮っていますが、たぶん1万人にひとりくらい「すごい!」
と興味をひく写真です。
ヴィンテージマイクの電源部オンパレードです。
P1020239.jpg
これと同じ量のセットがもうひとグループありました。
わかる人にはわかる、という、とっても微妙でどうでもいい写真です。(笑)
今日のストリングスカルテットは片桐さんグループ。
女性4人組で華やかでした。
P1020248.jpg
P1020254.jpg
二人が甘党、二人が大酒飲み、らしいです。
誰かは口が裂けても言えませんが....
それにしても人に頼んでおきながら文句を言うのも何ですが、撮影された写真は
9割方手ぶれでダメでした....なんだか、ですねぇ。
スタジオは麻布にあるオンエアスタジオ。
このすぐ近くに知る人ぞ知る青柳があるのですぅ。
今日は栗まんじゅうと道明寺の桜餅がありましたので、それをみんなで
おやつにしました。
桜が終わったのに桜餅?と思ったのですが、おばあちゃんの説明によると
一年中作っているそうです。
それにしても食べ物の写真は絶対に忘れます。
食い意地はっているからでしょう、たぶん。
和菓子はまだ苦手ではありますが、美味しいところのものは大丈夫、という
相変わらずのわがまま王道を行っています。
ピアニストは初めてお会いする(同じ仕事ですれ違ってはいました)
井上ゆかりさん。
P1020271.jpg
基本はジャズピアニストですが、静かな曲も美しい繊細なタッチでした。
こう考えてみると今日は女性ミュージシャンばかりでした。
普段ははっつぁん(古川氏)や岡部氏と、かむさ苦しい(失礼)男ばかりで、
たまーにたまちゃん(パーカッションの珠緒氏)が来てスタジオが華やかに
なるくらいですが....

新聞の記事からですが気になったものを。
奈良市鍋屋町のレストラン「Season」(0742-23-7515)で、
大仏の縮れ毛「螺髪(ら・ほつ)」をイメージした「大仏プリン」が
人気だそうです。
プリンとシュークリーム好きの私としては興味津々ですが、
6人前の量だそうで....ちょっとひきます。
螺髪に形を似せたガラス容器入りで味はカスタードと県内産の大和茶の2種類。
調理に時間がかかるそうで1日6個の限定販売です。
泊まりがけで食べに行かないとダメですかねぇ....


マイマイクのトランポで思い出しましたが、台車を買ったのです、ついに。
スタジオでみんなに自慢したのですが、これが7万円?!とひかれてしまいました。
確かに台車はよくある真っ青な色で普通ですが、キャスターにサスペンションが
ついていて、それはそれはなめらか、静かに、しかもヴィンテージマイクに
優しいというものです。
確かに高いんですけれど....でも、100万円もするマイクを1万円しない台車で
壊してしまうのは、ものすごく悔しいので....
究極のケチですね、はい。
しかも貧乏真っ逆さまという感じで....
でもチェロ持って台車を押しながらスタジオに入る光景は、ちょっと
恥ずかしい感じもあります。

■2006年4月16日

〆切に追われていてサリーちゃんパパどころではなくなってきました。
数日家から一歩も出ていませんから、ヒゲも剃っていません。
すごい顔になっています。
だいたい最近では無精髭が格好いい映画俳優もたくさんいますが、
男みんながそうなるわけではありません。
ヒゲの濃さや毛質によって無精髭=格好いいが成立するかどうか、
微妙なところです。
ちなみに私はまったくダメ。
ものすごくひげが濃いので危ない人になってしまいます。
人生の中で一度だけ、確か23歳くらいの頃かと思いますが、
ヒゲを伸ばしたことがあります。
あごまでのばしたりとか鼻の下だけにしてみたりとか、いろいろ試しては
みたのですがダメでした。
大不評。(笑)
でもそれにめげずに1年くらいはのばしていたのような記憶があります。
ちなみにそのころの写真は、新幹線の中で撮った一枚きりしか見当たりません。

この数日はひげを剃らないでいるので、肌がツルツルです。
いかに毎日肌にダメージを与えているか、ということになりますね。
でも剃らなくちゃダメですし....
エステの人に相談したことがあります。
いつかは行こうと思っているのですが、ちょっと時間がかかることが難点。
私が聞いたのは30分くらいの脱毛(というのかな?)が一回で、
次は一ヶ月半後に、というサイクルでやらなければならないそうです。
毛根の発毛サイクルにそっての治療と言っていました。
うーん、何年かかるのだろう....(笑)
でもひげを剃らずにいられるのなら、すごく魅力的でありますが。

そういえば無精髭でジャケット写真を撮ったことがあります。
Best Wishesというアルバムです。
写真は伊島薫さん。
わざと3日前からひげを剃らずにいて撮影をしました。
格好良くない私の無精髭をそれなりに撮ってくれたのは、やはり伊島さんの
腕と感性のおかげですが、あとにも先にもこれだけですね...
一番好きな写真のひとつです。


先日の平安神宮でのコンサートの時、気になっていたものがありました。
「幸運の桜」というもので確か200円くらい。
看板にそう書かれていてリハーサルが終わった時から何だろう、
と思っていたのでしたが次の日に京都のFM番組に出演した際、
答えがわかりました。
「桜茶」だったのです。
番組ディレクターが出してくれました。
とっても美味しかったです。
うーん、買って帰れば良かったなぁと思う一品でした。

P1020236.JPG


追伸。
大阪のバナナホールが閉鎖されたようですね。
でも存続を願う『歌のバリケード』として無料ライブを、ミュージシャンたちが
行っているようです。
私自身、そしてゴンチチとも何度も出演したことのあるホールですので、
是非存続して欲しいところですが...
つい先日も押尾コータローくんとバナナホールの話をしていたところでした。

■2006年4月14日

朝方シャワーを浴びてそのまま髪も乾かさずに寝てしまったら、
サリーちゃんのパパみたいになりました。
これを想像出来る人は私と年代が近いという事ですね....
そのパパ状態でぼーっとしながら書いています。
さて。
コラムの〆切がなくなってしまったのは、なんとなく寂しいです。
火曜日が締め切り日だったので、悪夢にうなされた時のように
週の最初は未だに何か書かなくちゃ、とちょっとドキドキします。


友人がイギリスに行ってしまいました。
会社を辞めてその日のうちに飛行機に乗って行ったらしいのですが、
なんだか格好いいです。(笑)
私もそのように人生を切り替えられるのなら、いつでもしたいですけれど....
いや、出来るはずなのでしょうけれど、生きて来た時間が長くなると
いろんなものが自分の周りにまとわりついている「錯覚」から離れられず、
自分の行動を狭めてしまっているようにも思えます。
自分の仕事部屋を見渡すだけでも、いらないもの、不必要になったもの、
でもまだ使えるものがたくさん並んでいて、それを整理するだけでも
面倒だなぁと思ってしまう自分もいます。
昔はとっても身軽だったはずなのに、です。
モノはいざとなれば捨てられるからいいですが、思い出は結構厄介ですね。
前へ進むために時々重しになってしまう時もあります。

友人がイギリスに住まいを移しても、e-mailでやりとりをしていると
普段とそれほど変わらないのが不思議です。
私は電話が苦手でチャットもテレビ電話もダメなので、メールです。
日常で頻繁に会う人でなければ、その人が何処に引っ越したとしても
人生上の大きな変化があったとしても、表面上はわからないものです。
ただ海外からの友人の文面からは日本ではない景色が見えてくるので、
それが一番楽しいところですけれど。

二度だけ海外に移り住もうと思ったことがあります。
一度目はパリでのレコーディングが続いた30ちょっと過ぎの頃。
結構本気でしたが、何故か出来なかった。
その何故は未だに思い出せないのですが...自分でその気持ちを封印して
いるのでしょうか...
でもそのころは何処でも良かったのですよ。
ニューヨークやロンドンも考えていました。
だからニューヨークに3ヶ月住んでみたり、ロンドンにもちょっとだけいました。
たくさんの友人が海外に移り住んでいた頃でもありましたから...

二度目は数年前の事で、ロンドンまで仕事のリサーチに行きました。
真剣にまず仕事探しからなのでいろんなものをみて、プロダクションとかにも
行って話を聞いたり、自分の居場所を探しました。
ワーキングビザの取り方まで勉強したのですが、比較的私の職種では
ビザをとりやすいものでした。
もちろん数年という限定と、預金が8桁以上(!!)という変な制限が
つきますけれど。
(あぁ思い出した。大昔、海外旅行をする時に預金証明書が必要な時が
あったような気がする...確かイギリス入国の時じゃなかったかなぁ...)
でも決定的にダメだったのがチェロのパフォーマンスをしてはいけない、
つまりお金をもらっていいのは作曲部分だけでチェロを弾いてはいけない、
というものだったのです。
結局諦めました。
ロンドンという街にもどうしても馴染めなかったのもありますけれどね。

今までいろんなところで人種差別を感じたことはありますが、ロンドンも
結構感じる場面が多いです。
君たちアジアンはこれ以上入ってくるな、という境界線みたいなものを
感じるときがあって、そういうものに慣れていない私にはちょっとつらいですね。
いえ、鈍感になっていればいいのですよ。
そしてそういうギリギリなところに行かなければ、ね。

今まで一番すごかったのは、ニューヨーク州の一番上、カナダとの
国境あたりでした。
車の旅でしか通らないようなところですが、もう20年近く前の事です。
知らないでその街に入ってしまった私がいけないんですけれど、
例えばスーパーとかで見事に口も聞いてもらえません。
宿泊のために探すモーテルは、やんわりと全部断られます。
レストランにも入らせてもらえません。
最初はわからなかったのですよ....
でも冷たいというより完全に無視されているなぁ、と思い始めたら、
その街にアジア人、黒人がまったくいないということに気がつきました。
その小さな街だけだったのですが、ちょっと異様でした。
街を出ればそこは普通のフレンドリーなアメリカなのですが....
南部とか他にもまだまだあります。
無視されるだけならいいですけれど、間違って民族間の争いに巻き込まれる
場合だってあります。
エルサレムでレンタカーを運転してた時には、幹線道路から外れた村には
絶対に入るな、と言われました。
エルサレムナンバーというだけで敵対視されることがある、との忠告でした。
どんな国にもまだまだ残っているのです。
パリだって日本人が入ってはいけないところはあります。
マンハッタンのABCブロックはおしゃれになりつつありますが、その昔は
殺人事件やクラックの売買は当たり前のところでした。
当時のガールフレンドがそこに住んでいましたから、よく知っています....
そこへ夜とかに遊びに行くのが本当に怖かったのですから。(笑)
私たちの日本だって知らないだけで、残っているはずです...


今の自分がここにあるのは何処にも行かなかったから、ですけれど、
時々この2回のうちどちらか行動していたら、どうなっていただろうか
と思う時もあります。


さて。
身軽ではない私のいらないものの数々。
洋服は、妹が結構処分してくれているので(まぁネットで古着販売でも
しているのでしょうけれど)大丈夫なのですが、古いシンセサイザーとか
電子機器関係は、まったく面倒です。
ほとんどは中古楽器屋に処分したり友人にあげたりしていますが、
ヴィンテージといわれるようなものは誰でも欲しいのです。
でも例えばプロ用のカセットデッキを持っていますが、
駆動系のゴムベルトがダメになっていてそのままになっています。
さぁ、これはどうするべきでしょう。(笑)
重さも結構あって持ち運ぶだけでも億劫ですし、年代的に修理を頼んでも
部品があるかどうか微妙なところ。
そんな機材がゴロゴロしています。
そう、直せば使えるけれど、今時もうカセットテープは使わないでしょう、
いらないでしょう、というものばかり。
あと20年も経てば懐かしい〜!!というモノなんでしょうけれど....
コンピューターだって3年前のものはもう仕事にはつかえませんから、
どうしたものでしょう。
やはり思い切って産廃業者を頼んで、捨てるしかないのでしょうか。
もったいない気はするんですけれど、でもネットオークションとかも
面倒くさくてダメです。
貧乏性のせいかそういうものを整理したりする時間があったら、
寝るか遊ぶか、もしくは仕事していたいとも思ってしまうのも確かです。
それでモノは増える一方です。
ある程度、ですけれど、やはり最新のものを使い続けなければいけない
業種でもあるので、難しいんですよね....

それでも最近では考え方を変えています。
すごくイヤな感じですけれど、将来までずーっと使えてヴィンテージに
なるかどうか。
ちゃんと値がつくものなのか。
ちょっと高い車の買い方とも似ていますが....
修理等のメンテナンスもある程度期待の出来る、信頼のおける会社なのか。
これらを満たすためにはある程度値段の高いものになってしまいますが、
結局はそれが正しいのではないかと思い始めています。

今はシンセサイザーがソフト(機械ではなくコンピューターのソフト)に
なってきているので、部屋はだんだん広くなりつつあります。(笑)
でもソフトシンセの悪いところは、やはり音が平坦ということでしょうか。
同じ音が出ていても不思議なものでコンピューター内の処理された音と、
機械から出ている音では微妙に違っていて、特に音を重ねて行った時に
違いが出始めます。
便利をとるか音をとるか、ですか....

それでは衣類とか家具類はどうでしょう。
贅沢品ですよね、これらは。
おしゃれをする事はもちろん楽しいことですが、私の場合、まだまだ
贅沢をしているという古い考えから(親のしつけでしょうか...)離れられません。
ステージ衣装をまず考えて、それから普段着です。
私の家にはこつこつと集めたミッドセンチュリーの家具が少しだけありますけれど、
もし引っ越しをしたら部屋とともに家具も変えなければなりませんし....
でもいいものを時間をかけて少しでも集めていけば、いくらでもリサイクルの
方法はあるのですけれどね。
結局はお金ですか?(笑)
いや、私の趣旨と合わないような....