■2002年8月20日
美味しい話。
昨年の初夏にトマトのコンポートの話を書いたが、それを覚えていたから
メールをいただいた。
そう、今年も美味しくいただいている。
一日に店に並ぶ量は少なく、しかも今年はこのおいしさを知った人が増えたようで、
遅い夕方には売り切れている。
それでも少し多めに買えたときは、友人にお土産として持っていくのだが、
皆、このおいしさには驚く。
見た目とのギャップも手伝っているのかもしれない。
今年はトマト料理が流行っているそうで、うれしい限り。
昨年のテレビロケで、イタリアのトマトのおいしさを再確認したけれど、
最近日本で買えるトマトもだいぶ美味しくなってきた。
もともと雨の少ない土地で生まれ育ったものらしいので(アンデスだったか?)、
あまり水をやらずに育てると、野性味たっぷりの甘いトマトに育つらしい。
そういえば小学校生の頃、家の庭には夏になればトマト、キュウリ、
茄子がたくさんなっていた。
まだ家の建てられていない裏の空き地にもはみ出していたし、ミョウガ、
イチジク、秋になれば栗も。
また、そのころの毎日のおやつといえば、裏庭から自分で取ってくるイチジク。
イチジクは最近どうも高級果物になりつつあるらしいが、私の感覚からすれば
何処の家の裏庭にもあって、勝手に取っても怒られないくらいの、そのくらいの果物だ。
(イタリアテレビロケの中で、チーズの制作過程の中でチーズを凝固させるために、
イチジクの木の白い液体を使っていた。羊飼いのおじさんは、
古代ローマ時代からの方法と、自慢していたっけ。)
あと、近所のスーパーで買う10円のコロッケ、パンの耳を油で揚げて、
砂糖をまぶしたもの。
(少し貧乏だな)
春には、日曜日の夕食のあとにはイチゴが出たけれど、今みたいにそのまま
食べられるほど甘くないから、イチゴ全部をフォークでつぶして、
それに牛乳と砂糖をかける、というもの。
(コンデンスミルクをかける食べ方は、好きになれなかった。)
こんな時代を覚えている人は、いるのだろうか...(それともうちだけが特殊だったのか?)
そして一番のお気に入りのおやつは、なんといってもプリンだった。
時々、母親が思いだしたように作ってくれるのだが、蒸しすぎてすがたってしまっている。
でも、焦げすぎたカラメルといい、本当に美味しかった。
当時の味に一番近い感じといえば、紀伊国屋のプリンが近いけれど、もちろん
あれほどの高級感あふれる「味」であるはずがない...
大阪に住んでいた小学校時代は、東京との往復に開通したばかりの新幹線を使っていて、
クラスの中でも乗ったことのある人は私だけで、ちょっとだけ自慢だった。
当時の車内販売に「三色アイス」というものがあって、チョコ、ヴァニラ、イチゴが、
丸いカップの中にきれいに三等分されていた。
大好きで、片道一個は買ってもらえたのだけれど、子供心ながらもイチゴはまずくて
食べられなかった。
必ず母か妹に食べてもらった記憶がある。
当時はもちろん本物が入っているはずもなく、合成甘味料でイチゴ味を
作りだしていたのだと思うが、それが大変薬くさく、大好きな新幹線にも酔うほどだった。
子供の頃の話をもう一つ。
当時、外食をすることはほとんどなかった。
たまに外出するとき、例えば新宿のデパートに買い物なんて、いまの海外旅行くらいに
インパクトがあった。
そしてその時だけは、デパートの大食堂や喫茶店に入ることが出来き、
私がオーダーするものは決まっていた。
クリームソーダ。
これ一筋。
緑色のソーダ水の中にアイスクリームが入っている、あのバランスの取れた美しさ、幸せ感...
今でもこれを注文すると、当時にタイムスリップする。
トマトの話に戻るが、最近食べたトマト料理の中で美味しかったのは、
良く行く中華料理店の「トマトと卵のスープ」、そしてトマトのおでん。
えっ?と思う組み合わせも、トマトはこなしてしまうから、不思議な食べ物でもある。
美味しい話は尽きない。